2023年4月22日にインタークロスにて「ネットショップ初心者でも売れる商品写真の基礎知識とつくり方」と題したセミナーが開催されました。

今回のセミナーは書籍「ネットショップ初心者でも売れる商品写真の基礎知識とつくり方（玄光社）」の出版を記念して企画されたものです。
書籍の著者である黒葛原 道さんが主催し、インタークロスを会場にしておこなわれました。

ネットショップや販促の実務において「写真は重要」と言われています。
しかし、いざ写真を用意する場合、どんな写真が必要なのか、どのように撮影すれば良いのかなど具体的なノウハウが少ないと感じている人は多いのではないでしょうか？
今回のセミナーでは、ネットショップ、Webサイト等における写真の重要性を理解し、売上に貢献する「いい写真」のつくり方をテーマにセッションがおこなわれ、Web制作を学んでいる学生から、実務に携わる社会人、販促や写真撮影に興味を持っている一般の方まで幅広い属性の方が参加しました。

セミナーは2部構成で実施されました。
前半のセッションのテーマは『ネットショップ、Webサイトで活用できる“売れる”ための商品写真の基礎知識と仕上げの勘どころ』です。
デザイナー・アートディレクターの黒葛原 道さんが、今回出版された書籍の内容をベースに「販促における写真の重要性」「商品写真に必要な考え方」「商材別に必要な写真と撮り方」「覚えておきたい撮影のTips」「ストックフォトの便利な使い方」の5つのテーマで解説をしました。

200ページを超えるスライドで、ネットショップに必要な写真のポイントを詳しく紹介。書籍に書かれている内容をさらに掘り下げた説明も多く、書籍を購入済みの方にとっても新しく知る情報が沢山ありました。


後半のセッションは黒葛原 道さんとフォトグラファーの林 成志さんによる『特別企画：プロのカメラマンと一緒に物撮りをライブで実演！』です。
対面形式でのイベントだからこそ実現できた企画となりました。
黒葛原さんがディレクター役となり、物撮りの現場での撮影ディレクションを実施。
林さんが照明やセッティングを調整しながらフォトグラファー目線からのフィードバックをすることで、最適な写真を探りながら撮影をおこなっていきます。



最初の題材はワイングラス。
書籍出版後、SNSでも多くの反響が寄せられた「黒締め」の技術を用いて撮影するプロセスを実演。
商品の輪郭を際立たせることで存在感を演出するだけでなく、撮影後に写真を切り抜く際にも扱いやすい素材となります。



こちらは反射による写り込みを消しながらビール瓶を撮影するプロセス。

普通に撮影をしてしまうと、どうしても天井や周りのものが瓶の表面に写り込んでしまいます。
照明機材やディフューザーで写り込みをコントロールしながら、瓶やラベルの質感を再現していきました。



同じ箱を撮影してもカメラのレンズによって「歪み」が生じてしまうということを、レンズを変えて撮影しながら解説。並べてみると違いがよく分かります。
プロの撮影現場ではシフトレンズと呼ばれる特殊なレンズを用いるそうですが、スマホで撮影する時にもちょっとした工夫（望遠側で撮る）で歪みを軽減できるテクニックがあるということを教わり、すぐに試したくなる内容でした。


最後に撮影を実演したアイテムはエアガン。撮った写真を大型モニタに映しながらライトを一灯ずつ足して演出していきます。

「ここはもう少し明るくしたいな」「こっちの反射は消したいね」など、ディレクターとフォトグラファーのリアルなやりとりがおこなわれ、完成した写真を見た参加者からは、驚きの声が上がっていました。


休憩時間も挟みながら、トータル5時間にも及ぶボリュームたっぷりのセッションが終了。
自分で撮影する時に取り入れたいポイントはもちろんですが、準備をする時間や機材を揃える費用をかけて撮影することの大変さも学ぶことができたため、プロに撮影を依頼することの価値も感じることができたセミナーとなりました。

今回のイベントの概要は以下のページに掲載されています。
『ネットショップ初心者でも売れる商品写真の基礎知識とつくり方』イベントページ

インタークロスを会場にした一般公開型のイベントは3年ぶりの開催でした。
2023年に入り、参加者同士が直接対面するイベントやセミナーの機会が増えつつあります。
今後も「仕事」や「学び」などをキーワードに、インタークロスを通じて多くの人が交流する風景をお届けしていきたいと思います。